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どうしてかゆみが出るの?― かゆみの原因①犬の乾燥と皮脂汚れ ―

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どうしてかゆみが出るの?

「最近よく掻いている」「シャンプーしているのにかゆそう」
こうした“かゆみ”のサインを見ると、アレルギーや皮膚病を心配される飼い主さんも多いかもしれません。でも、実は犬の“かゆみ”はアレルギーや病気だけが原因とは限りません。日常のスキンケアや皮膚環境の乱れが、かゆみのきっかけになっているケースも多く見られます。

今回はその中でも、「乾燥肌」と「皮脂汚れ」についてご紹介します。

皮膚は、体を守る最大の臓器

犬や猫の皮膚には、外部からの異物の侵入を防ぎ、体内からの水分の蒸散を防ぐためのバリア機能があります。しかし、乾燥や皮脂汚れが蓄積されることで皮膚環境が乱れると、このバリア機能がうまく働きにくくなり、かゆみとしてサインが現れることも。(バリア機能について詳しくはこちら)

「乾燥」が、かゆみのきっかけになる理由

お肌が乾燥するとバリア機能が弱まり、かゆみが出やすい状態になります。さらに、乾燥を放置することでアトピー性皮膚炎の発症や悪化につながることもあるので注意が必要です。
人では新生児のうちから保湿をすることで、アトピー性皮膚炎の発症を防げるという報告もあります。犬でも同じように、お肌を保湿することで、乾燥によるかゆみや症状の悪化を防ぐことが期待できます。まずは「乾燥させないこと」を意識したスキンケアを心がけてあげましょう!

乾燥肌は、様々な要因で起こります

体質

生まれつき皮脂の分泌が少ないタイプ。季節や環境の影響を受けやすく、少しの刺激でもかゆみにつながることがあります。こまめな保湿が大切です。

気温の低下

寒くなると血流が悪くなり、皮膚まで栄養や水分が届きにくくなります。温浴やマッサージで巡りをサポート。

湿度の低下

空気が乾燥すると、皮膚の水分が蒸散しやすくなります。特に冬場やエアコン使用時は要注意です。湿度40%以上を目安に。

洗いすぎ

汚れを落とそうとして頻繁にシャンプーをすると、皮脂の取りすぎでかえってお肌に負担をかけることがあります。肌質に合わせてシャンプーの頻度を見直すことも大切です。

乾かしすぎ

高温でのドライヤーの使用は、皮膚の水分を奪いすぎてしまう原因に。低温でゆっくり乾かすことを意識しましょう。

食事

皮膚は食事の影響も大きく受けます。脂質が足りなすぎるとお肌に必要な皮脂も不足しがちに。年齢や体質に合わせてバランスの良い食事を心がけましょう。

乾燥した状態を放置するとかゆみにどんどん敏感になり、「かゆみ → 掻く → さらに悪化」という悪循環につながることもあります。

実は多い「皮脂汚れ」によるかゆみ

皮脂自体には殺菌作用があり、感染症などからお肌を守っています。さらに、汗と混ざって「皮脂膜」となることでお肌と毛を保護する重要な役割も果たしています。また、毛をコーティングするので美しい毛並を保つのにも欠かせません。

しかし、古くなった皮脂が皮膚表面に残り続けると、マラセチアやブドウ球菌などの菌が増殖しやすい環境になり、皮膚トラブルやかゆみの原因になることがあります。

皮脂汚れを放置すると起こりやすいサイン

皮脂汚れが溜まってくると、次のような変化が見られることがあります。

・皮膚がゴワゴワしてきた
・フケが目立つようになった
・ベタつきやニオイが気になる

特にニオイが気になるときは、菌が増えているサインかもしれません。

汚れサインが出る前の、定期的な洗浄が大切

皮脂汚れは、目に見えるトラブルが出てから落とすよりも、サインが出る前の定期的なシャンプーが大切です。ただし、ゴシゴシ洗いは逆効果。皮脂を無理に落としすぎると、かえって皮膚トラブルにつながることも。優しい洗浄が大切です。

洗った後は「保湿」までがワンセット

皮脂汚れを落としたあとの皮膚は、とてもデリケートな状態です。
洗浄後にそのままにしてしまうと、水分が逃げやすくなり、乾燥やかゆみの原因に。
やさしく洗う → しっかり保湿する」この流れを意識することで、皮膚環境を整えやすくなります。

かゆみは、皮膚からのサイン

乾燥肌も皮脂汚れも、強い症状が出る前の段階でケアすることが、皮膚トラブルを防ぐポイントです。

かゆみは、ある日突然起こるものではありません。
その前に、乾燥や汚れなど、皮膚環境の小さな乱れが少しずつ積み重なっていることが多くあります。
症状が強く出てから対処するのではなく、「かゆみが出にくい皮膚環境をつくること」を意識することが、スキンケアの第一歩。

次回は、かゆみの原因として多い【ストレス・筋肉の違和感・食事】について詳しくご紹介していきます。