犬の皮膚
猫の皮膚
愛犬・愛猫の冬のお手入れ ―乾燥対策とスキンケアのポイント―
冬は気温と湿度が下がりやすく、犬・猫の皮膚が乾燥しやすい季節です。特に「乾燥」や「冷え」によるトラブルが増えるため、日頃のケアが大切です。今回は、冬に特に多いトラブルと、お家でできる対策についてまとめました。
犬・猫の冬に起こりやすいお肌と体のトラブル
■乾燥による皮膚トラブル
冬は湿度30%以下になる日も多く、お肌が乾燥しやすくなります。
その結果次のようなトラブルが増加します。
・皮膚のバリア機能の低下
・カサつき、フケ、痒みの増加
・静電気によるストレス
バリア機能が低下するとお肌は刺激を受けやすくなり、「痒み→掻く→さらに悪化」の悪循環に。お肌の潤いを守り、バリア機能を保つケアが大切です。
■血流の低下による冷え
気温が下がると体の血流が悪くなり、皮膚の温度も低下します。
その結果、代謝が落ちたり、乾燥トラブルの悪化が起こりがちです。
特に暖房の効いた室内と冷えた外を行き来すると、寒暖差で体温調節がうまくいかず、体にストレスがかかりやすいので注意が必要です。
(寒暖差の影響についてはこちら)
室内環境で気を付けたいこと
冬場の理想的な室内環境は
温度:20~23℃、湿度:50~60%
暖房で空気が乾燥しやすいため、加湿器と併せて濡れタオルを掛けるなど、湿度を保つ工夫をしましょう。
また、温めすぎにも注意が必要です。ホットカーペットや暖房の長時間の使用は、外耳炎や低温やけどなどのリスクにつながる場合があります。
冬におすすめのスキンケア方法
■洗いすぎない
皮脂を取りすぎると乾燥が悪化してしまうため、特に冬は洗いすぎないことが大切です。シャンプーは月1回程度を目安に。
■しっかり保湿
乾燥する季節は必ずシャンプー後にコンディショナーで保湿を。被毛のケアだけでなく、「皮膚への保湿作用」があるものを選ぶのがおすすめです。
・セラミド配合の保湿剤(皮膚のバリア機能をサポート)
・軽めの保湿スプレー
・リンスインシャンプー
・ハーブパック
成分によって効果が異なるため、複数を組み合わせて使うのもおすすめです。
※カット犬種(トイプーなど)は、ふんわり感を保てる軽めの保湿剤を少量ずつ使うのがポイント!
おすすめハーブパック
保湿ケアに特化した「モイスチャーヘルスハーブパック」がおすすめ。仕上がりの重たさが気になる場合は、「ビューティ&ヘルスハーブパック」に「ビューティオイル」をプラスして保湿力を高めましょう。
モイスチャーヘルスハーブパック
商品はこちらあたためケアで冬のトラブル予防
寒さで血流が低下しやすい冬は、温浴(炭酸泉やマイクロバブルなど)が効果的です。
体が温まることで血行が良くなり、お肌の代謝もサポートできます。
冷えやすい子はマッサージやブラッシングで巡りを良くしてあげるのもおすすめです。
冬に取り入れたい4つの習慣
1.しっかり加湿する
2.こまめに水分補給
―――お水を飲まない子はウェットフード、ふやかしフードで工夫を
3.体を冷やさない、必要に応じて温める
4.保湿剤をこまめに使う
―――化粧水タイプは3~4時間、ワセリンなど重いタイプは5~6時間持続
冬は「乾燥と冷え」対策がポイント
冬は「乾燥」と「冷え」が重なり、皮膚トラブルが起きやすい季節です。
保湿、加湿、温めの3つを意識することで、お肌の揺らぎを大きく減らすことが出来ます。
愛犬・愛猫が快適に冬を過ごせるよう、日々のケアでサポートしてあげましょう。

このコラムは日本獣医皮膚科学会認定医・獣医学博士である島田 健一郎先生とのインスタライブを元に抜粋、編集しております。